"人文学"の記事一覧

博物館の収蔵品を処分しようとして非難殺到→たぶん図書館の蔵書を処分するときに文句言ったのと同じ層だな…

奈良の県立博物館が収蔵品を処分するとしたことに対して、無責任に非難していた人たちがいて、ああーよくある実情を知らんのに騒いでるやつね、とスルーしていたのだが、ちょっとあまりにも現場に対する無礼がすぎるなと思ってきたので少し書いておこうと思う。 県立民俗博物館 山下知事“保存資料の廃棄も検討” https://www3.nhk.o…

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たぶん専門家はフルボッコにする新説。「ジェセル王のピラミッドは水圧式エレベーターで作られた」

考古学系のサイトでちょっと話題になってたやつ。 最初のピラミッドである、ジェセル王の階段ピラミッドは水圧式エレベーター(水力装置)を使って作られたのでは、という説が出たらしい。ただし考案したのは専門の学者ではなく、査読ありの論文としては出ていない。内容を見ると確かに”面白み"はあるのだが、エジプトマニア的には「あーまたこういうのっすか…

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コロンビアの密林の奥に描かれた岩絵と描かれたものたち 岩絵の意味はどこまで読みとけるのか

アマゾン奥地の岩絵にアクセスできるようになったので、ドローン飛ばして画像記録して研究はじめたよ! という論文が出ていた。付近には先住民のNukak Makú、Jiw、Tukano、Desanaなどの部族が住んでいるそうなので、おそらく保護区の一部とかなのかと。 先住民はこの岩絵を描いた人たちの直接の子孫の可能性があり、絵があること自体…

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帝国の支配者たる女たちの物語「モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち」

本屋の新刊コーナーにあったので、移動中に読もうと思って手に取った。著者プロフィールを見ずに読み始めたので、てっきり中国人が日本語で書いていると思っていたのだが、なんとモンゴル人で、ある意味関係者だった(笑) 途中で「私の一族の場合」とか出てきて、「???」と思ったのだが、著者名は中国語ペンネームで、本名のモンゴル語名と帰化後の日本名も…

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史実と創作のはざまで許されることとは。「中先代の乱」と「逃げ上手の若君」

鎌倉と北条氏推しのマンガ「逃げ上手の若君」がアニメ化されてヒットしているようだ。 マンガはもちろん売れているだろうが、その原典(?)とでも言うべき本のほうも是非、書店の方は平積みにしていただきたい…封神演義のマンガがあたった時と同じで絶対売れるから…。 そう、主人公の北条時行をテーマにした一冊の文庫本が既に出てるのである。 …

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アスワンのダム湖の中にはまだお宝がたくさん沈んでる。ダイビングで石碑を新発見

ダム湖に沈んでしまった遺物は水中考古学の範疇になるらしい。 1960年代までに、アスワン・ロウ・ダム(ハイ・ダムの下流に作られたダム)によって水没してしまった遺物を、ダイビングで改めて探してみたら、今まで知られていなかった第18王朝と第26王朝のファラオの石碑が見つかったよ。という話。 発表はエジプト政府(エジプト・フランス合同…

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ワニのミイラはどうやって作るのか。末期王朝ミイラの分析から

そういやワニって爬虫類だろ? 哺乳類とおなじミイラの作り方は出来んくない? と思ったから、ついでに調べてみた。 フランスのリヨンにあるMuse´e des Confluencesが所有するワニミイラの分析。このワニは小さいやつなので、末期王朝時代にミイラ化するために養殖されていたやつだと思われる。 Synchrotron “vi…

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徳島城博物館で刀剣展示中。美しい海部刀がまとめて見れるぞ! 審神者はいっそげー

隠れ審神者なので、田舎帰ったついでに徳島城博物館でやってた刀剣イベントに行ってきた。 かつて阿波国の南部に存在した刀工集団によって作られ始めた「海部刀」がまとまって展示されている貴重な機会。近辺に潜んでる審神者は会期中に行っとくといいと思うよ!  公式 https://www.city.tokushima.tokush…

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古代エジプト:ワニのミイラから「最後の食事」が見つかる。(釣り針つきお魚)

仕事は多忙な時期にコロナで同僚がほぼ全滅、リアルでは親族の葬儀と片付け、とイイ感じに公私ともわちゃわちゃしていた中の人です。こんばんは。結局最後に一番頼れるものは自分だ…いざという時の体力、体力は正義。 というわけで色々力技で片付けたので、現代に戻してた分霊にはまた古代に旅立っていただきます。 古代エジプトのワニのミイラ…

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古代エジプトの書記は体のどのへんに負荷がかかっていたか。骨の変形から見る結果

古代エジプトの書記の骨(というか関節)を調べて、その変形から仕事の負荷を見てみようという研究が出ていた。 論文のタイトルにもあるとおり、対象はアブシールで出土した古王国時代の書記たち。「書記」かどうかは、埋葬から上流階級だなというところや、墓の副葬品、故人の職業として歯書記だと明確に書かれているかどうかなどで判別しているらしい。正確な…

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古代エジプトのペンは「葦」ではなく「イグサ(灯心草)」。日本語使い分けどうしよう…

今までなんとなく、古代エジプトのペン(筆)のことを「葦」と書いてきた。だが、実は「イグサ」のほうが訳語としては正しい、ということにフト気づいてしまった。 実はプトレマイオス朝の頃にペンの種類が変わり、文字体が変化したのだが、その前後でペンに使われる植物の種類が変わっているのだ。 ●王朝時代 Juncus maritimus →…

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解読できないエジプト語「バルーア・ステラ」→文字が風化しすぎて分からん

ヨルダンに、古代エジプト語っぽいけど未解読の石碑がある、という話を読んで、ほうどんなものかなと思って調べにいってきたのでメモを残しておく。 バルーア・ステラ(Balu'a Stele)という名前のもの。検索したらすぐ出てきた。 出土地はヨルダンで、おそらく新王国時代の後半、第19~20王朝のもの。エジプトがレバントを支配し、強い影響…

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古代エジプトに存在したのは「スイレン」、だがLotusの一般的な訳語はハスという面倒さ

まず最初に、古代エジプトに生えていたのは「スイレン」であり、「ハス」ではない。ということを念頭においてもらいたい。 「睡蓮」と書いている本は正解で、「蓮」と書いてある本は全て間違い。蓮はインド亜大陸から東南アジアあたりが原産のものと、アメリカ大陸が原産のもののニ系統が知られているが、どちらも古代にはエジプトに入ってきていない。そし…

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ギリシャ語文献にヒッタイトが残らなかったもう一つの理由は「接触時期が短い」か?

ヒッタイトは、ほんの1世紀前に再発見された新しい文明である。大国としてエジプトと渡り合った時代がありながら忘れ去られ、その首都の場所やかつての王たちの名前も埋もれたままになっていた。 原因の一つは、ギリシャ語記録に全く残っていなかったからだ。以前、年表を書いて考えてみたが、クレタ島の文明崩壊後、文字を失ってしまったギリシャ系の民族…

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「古代エジプトには冷蔵庫があった!」→近隣の古代文明でも普通に使ってたよ、エジプト起源でもないし

日本にしかないものを褒めても「はいはい日本すごい系のやつね」って言う人がいたり、別に他の国でも普通に有るものなのに「これは日本にしかない!」と言ってるのが世の中に広まったりするのは良くあるパターンだが、古代文明でもそれは「あるある」である。 今回たまたま通りすがりに見つけてまったのは、「古代エジプトには冷蔵庫がある!」というやつで…

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