年度末ですこんばんは。定時で上がれる日はもうありません。
でも、王家の谷からトトメス2世の墓がついに発見された、というニュースが流れていて、よく分かってない人に適当な解説書かれてイラッとするよりは先に自分で書いといたほうがマシだなと思ったので書いておきますよウフフ。
Long-lost royal tomb of King Th…
"人文学"の記事一覧
ナイルティラピアは、頻繁に古代エジプトの護符や調度品、墓室内の装飾として使われるポピュラーな魚。
こういうやつなのだが、たぶん展覧会や図録などで見たことある人は多いと思う。
※大英博物館所蔵、遺物ページはこちら
このティラピア、護符にもよく使われていて、古代エジプト人にとって特別な意味を持つ魚だったらしい。
護符の例…
少し前、古代エジプトの穀物倉庫の構造について調べていた時、下ヌビア(現在のエジプト国境付近から隣国のスーダンにかけての地域)の要塞に付属する穀物倉庫についての記述が沢山出てきた。
ナイル川上流のあまり人の住んでない地域なのでアスワン・ハイ・ダムに水没したもの以外は遺跡の残りが良く、近くに現代の集落などもないので発掘しやすいんだろうなと…
ナツメヤシといえば、エジプトでは広く食べられているポピュラーな果物。古代から壁画などに登場する、おなじみの作物だ。
だが、ふと考えてみると、その栽培方法とか食べ方とか諸々の情報をよく知らない。
というわけで! ちょっと図書館の園芸コーナー行って本を探してみた。
一番わかりやすかったのがこれ↓。お馴染みのメシテロ・シリーズだが、…
適当に論文検索して遊んでたら、面白いものがヒットしたのでメモがわりに。
古代エジプトの歴代の王たちが、どのように脅し文句を碑文に刻んだのか、という話である。
文字が読める人が少ない世界で、警告文を書いたところで読んで意味まで理解できたとは思えない。これはどちらかというと呪詛に近く、文字という形にして「逆らったらどうなるかわかって…
末期王朝時代のメンフィス周辺にあった、異国人コミュニティの一つに「カリア人」という見慣れない名前があったので、ちょっと調べてみた。
英語で書くとCarians、もとはアナトリア西南部の住民だ。戦士、船乗りとして知られ、エジプトには傭兵として雇われてやって来たのが住み着いていたと考えられるという。
使用文字はギリシャ語。ただし書いてる…
本屋通りかかった時にふと見つけて、なんとなく立ち読みしてみたけど内容がよくわからん…というわけで買ってきてじっくり読んでみたら、だいたい言いたいことは分かった。というか歴史本ではない。ジャンル的には社会学、それも社会心理学寄りの内容という、タイトルや表紙からだけでは分からない、珍しいテイストの本であった。
イスラエルの起源 ロシア…
まず前提として、古代エジプトは農業国であり、主要な作物は麦(小麦と大麦)である。
収穫は基本的に1年に1回。のちの時代になると、通年で灌漑できるファイユームなど限られた場所でのみ二期作が行われたとされる。つまり、基本的な収穫は1年に1回のみで、その1回ぶんで1年を食いつなぐ必要がある。穀物を、最低でも1年は保存しておける建物は必須なの…
古代エジプトの歴史の中で、「第二中間期」とは、ヒクソスを筆頭に、アジア方面からの移民が多く流れ込み、ナイル川下流ののデルタ地帯に異国人王朝が立てられて国土が分裂していた時代である。
アジアから人が流入した原因は良くわからない。気候が悪化していたからなのか、そっちで戦乱があって難民化した人たちがいたのか、単にエジプトの内政が弱っていた時…
こんなニュースが流れていたのだが、エジプトさんとの付き合い長いと、「うんまぁ、いつものことだね…」という感じ。
SNSで大炎上してるというよりは、SNSで拡散されたのをエジプトの考古学者や議員が知って騒いだために、問題が大きくなったんじゃないかな。
でも悲しいことに、エジプトではこの程度、いつものことなんよ。。
ギザの大ピラミ…
アマゾンは、かつては未開の原生林で、原始的な文明しか無かったと考えられてきた。
しかしここ20年くらいの研究では、実は埋もれている中に高度な自然利用を可能とした古代文明がいくつも存在したことが分かってきている。そのうちの一つが、最近取りざたされるようになったボリビアの「カサラベ文化」だ。
アマゾン奥地でこれまで知られていなかった…
アサシンクリードの最新作、シャドウズが炎上している話は以前書いたが、制作側が何が悪いのか分かっていなくて火に油を注ぎ続けているため、さらに炎上は続いている。というか新しいトレイラーや情報が出るたびに「なんやこれ…」ってなる要素が多すぎて、さすがに援護も無理筋になってきた。
マジで、ゲーム内に登場する文化が「今も継続している歴史で、担い…
いつものように、図書館でごそごそ古い本とかあさっていたところ、「最新の研究ではエトルリア人のDNAがアナトリアと関係あることが分かった。もしかしたら、紀元前1,200年のカタストロフで移住してきたのかもしれない」という内容のものを見つけて、ん…? となった。
最近読んだ別の本では、エトルリア人は土着の民だと結論付けられており、それで決…
プトレマイオス朝時代のエジプトでは、古代エジプト語と古代ギリシャ語が両方使われていた。支配者はギリシャ系の人なのでギリシャ語が第一公用語なのだが、人数敵にはエジプト人のほうが圧倒的に多いのでエジプト語も多く使われている。
両方の言語が書かれていた、ロゼッタ・ストーンを思い出してほしい。土着の住民は変わらずエジプト語だけを使い、ギリシャ…
いつもの「なんか読みたいけど手元に本がねぇ!」という発作を発症し、駆け込んだ本屋で適当に目についた本を買ってきた。
西シベリアの熊まつり。
内容とか全然見ずにタイトルだけ見て手に取ったので、アイヌのイオマンテに似たやつかなーと思っていたのだが中身は全然違った。というか、とらえた熊の魂を送る祭り、というあたりは共通しているのだが、なん…