"人文学"の記事一覧

古代世界における「色」の意味について:神殿や寺院に色がついていた理由の考察

古代エジプトの神殿には派手な色がついていたことがよく知られている。 カルナック神殿やルクソール神殿も、現在ではほとんど色落ちして石の色しか見えなくなっているが、作られた当時には隙間なく色が塗られ、ド派手な姿をしていた。 これが何故だったのか。また逆に、派手な色をつけなかった日本の寺社仏閣などはどうして色をつけなかったのか。という…

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思てたんとだいぶ違う。アルメニア南西部のウルラルトゥ遺跡から石灰岩の偶像発見

ウラルトゥとは、かつてアルメニア周辺に栄えたフリ人の古代王国である。紀元前9世紀あたりが全盛期で、その後は隣接するアッシリアとの衝突や、後発のメディア・スキタイなどとの戦いによって衰退し消滅してしまう。 そのあたりの情報は、かつて調べた以下を参照。 資源的に恵まれていたのに覇権は取れなかった…ウラルトゥ国について調べてみた …

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かつては流行った「オーパーツ」、最近は見かけないよね…という話。ググればいくらでも情報出てくる時代だから…?

中の人の子供の頃には、オーパーツというものがそこそこ流行っていた。というか古代文明にハマる人の多くはそこから入っていったようにも思う。オーパーツとは「存在してはならない遺物」であり、たとえば古代エジプトの時代に実は電球があった、などのオーバーテクノロジーの文脈で語られることが多かった。 しかし今、それらはほとんど見かけない。 何…

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「農耕・牧畜」社会と「狩猟・採集」社会についてのよくある勘違い。組み合わせは色々、両方ないと成立しない

表題の通り、世の中には「農耕・牧畜」社会は「狩猟・採集」社会から発展した、より優れた形態と考える人が少なくない。 これは古くは日本の教科書でも「縄文時代=狩猟・採集」、「弥生時代=農耕・牧畜」とし、縄文時代から「発展」して弥生時代になったのだと説明していたという経緯から定着した誤解という側面もあると思う。 が、実際には一部の社会…

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考古学の論文はどう撤回されるのか。四年前に話題になった「神の怒りで滅びた町ソドム」の論文事例から

もう忘れている人も多いだろうが、このニュースを思い出してほしい。ヨルダンにあるテル・エル・ハマム(Tall el-Hammam)という遺跡は隕石の空中爆発によって滅びた町かもしれない、という論文が出て話題になったやつである。当時の記事とツッコミ内容は以下を参照。 「神の怒りに触れて滅ぼされた町」は隕石の爆発によって滅びたのでは? …

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ピラミッドはなんのために作られたのか。(少なくとも金持ちの道楽では絶対にない)

「サピエンス全史」に以下のページがある。よりにもよってエジプトのピラミッド相手にこれ?! と唖然とさせられる内容だった。 全編に渡ってツッコミどころ満載でいちいちあげつらうのも面倒くさい本なのだが、ここだけは突っ込んでおこうと思ったので書いておく…。 このページが出てくるのは上巻、「脱出不可能な監獄」というセクションの中…

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最初から最後まで噛み合わない話を聞いてる感じ「サピエンス全史」

10年近く前に話題になり、ベストセラーか何かになった本である。 当時は、あまりにも面白くなくて後半ブン投げてしまったのだが、改めて感想的なものを書いておこうと思う。 サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 - ユヴァル・ノア・ハラリ, 柴田裕之 まず、この本は人類学とか歴史学とかに分類されるべき本ではない。 …

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ヨーロッパ側視点から見た海のならず者たち「バルバリア海賊盛衰記」

バルバリア海賊とは、北アフリカ、主にアルジェ・チュニス・トリポリ付近を拠点として海賊行為を行った人々に対して使われる名称。主に16世紀以降、19世紀初頭あたりまで活動は続いた。 有名どころは「バルバロッサ」ことウルージ・レイス、ハイレッディン・レイス兄弟で、この兄弟の時代にアルジェが一大海賊拠点として占領される。ハイレッディンはオスマ…

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日本における「プロテスタントの」クリスマス発祥とクラーク博士について

図書館で適当に読むもの漁っていてたまたま見つけた本、「よくわかるクリスマス」。タイトルの軽い感じから察するように軽く読めるお読み物系。前半は「クリスマスって聖書じゃ日付指定されてなくて後世に作られたもんだよ…」という、よく知られた話なので飛ばす。後半の、日本におけるクリスマスの定着についての部分がけっこう面白かった。 日本に最初に…

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古代エジプト・カエルの女神様ヘケトはムチムチ美人の可能性。ムチムチ。ヒキガエル。

突然だが、古代エジプトにはカエルの女神がいる。ヘケトちゃんである。 かわいい。 http://www.moonover.jp/bekkan/god/heket.htm カエルは古代エジプトにおいて、豊穣・子孫繁栄の意味を持つ。おたまじゃくしがいっぱい生まれる=子沢山、というイメージと、緑の芽生える水辺に暮らしていること…

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サイコみのある研究が好き。「縄文人のDNA使ってiPS細胞から内臓作るで!」

何を言ってるかさっぱり分からないと思うが、こういうことである。 iPS細胞とは、分化誘導すれば人体のどんな臓器にもなれる細胞のことで、ここに縄文人のDNAを突っ込んで縄文人の人体パーツを生成しちゃおう、という研究。これにより擬似的に縄文人の身体能力や機能を再現し、現代人と比較することが出来る。 (なんかどっかのサイコホラ…

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一足飛びに大仰な結論出しすぎでは…? 「中国出土の頭蓋骨、人類進化の時系列塗り替える可能性」

ほんの数個の頭蓋骨の復元だけで、いきなりこれは言い過ぎだろ。と思ったのだが、このところの中国さんから出てくる研究論文見てると、この先も同じような論調の論文は出してくるんだろうなと思ったので、いちおうメモがわりに残しておく。 中国出土の頭蓋骨、人類進化の時系列塗り替える可能性 https://www.cnn.co.jp/fring…

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世界史の闇を思う存分味わえる「アルジェリアにおける植民地支配の構造と展開」

ヌミディア王国について調べてたついでに、同じ地域に関する本だしついでに読んどくかぁーくらいのノリで読み始めた本なのだが、…あれだ、めっちゃ世界史の闇。 北アフリカ、マグリブと呼ばれる地域をフランスがいかに植民地化し、ズタボロにしていったか、という話を書いた本。 アルジェリアはフランスからの独立にあたり、全人口300万人のうち50万人…

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またかよ…エジプト・サッカラの第6王朝の墓から壁画盗難。「5月に判明してました」

つい先日、カイロ博物館から盗難された金の腕輪が売っぱらわれて溶解されていたことが判明したばかりのエジプトさん。 今回は墓の壁画がひっペがされて行方不明になっていたのを5ヶ月も経ってから公表。うーん…。 古代エジプト時代の絵画が行方不明 「呪いの言葉」刻まれた墓から https://mainichi.jp/articles/20…

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大英博物館所蔵のおもしろ贋作: オシリス坐像

古代遺物の贋作によくあるパターンが、「一部だけ本物の古代遺物」というやつだ。 見栄えよくして、高く売りさばけるようにしたいという盗掘者の心理。もしくは、コレクターが友達に自慢する時にカッコよく視えるようにと破損した遺物を買い求めて勝手に修繕しちゃったのが市場に流れたとかいうパターンもある。 これはマジでなかなか見分けつかなくて、…

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