"人文学"の記事一覧

銃が効率的に人を殺せるようになるまでの試行錯誤の歴史「火器の誕生とヨーロッパの戦争」

映画「ナポレオン」を見たあとに、ふと本屋で見つけた本がこれである。 映画自体はシュールギャグ過ぎて歴史ものとしてはかなり微妙だったのだが、戦闘シーンの火器の使い方/描写は面白いところもあったのだ。ナポレオンが行きていた18世紀の戦争における火器の扱われ方は、かなり終盤のほう。その前段には、長い試行錯誤の歴史が存在した。 火器の誕…

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キプロス島の埴輪たち:ヌラーゲ文化のテラコッタシリーズの親近感

キプロス島に兵馬俑のようなものがある、という話を聞いてちょっと調べてみた。これがそう。大きさが揃っていないのと、兵士じゃない人物像が多いので、むしろ日本の埴輪っぽい雰囲気である。てかトーハクの埴輪展示室ってこんな雰囲気だったよな。めっちゃ親近感わく。なんなら日本の埴輪と混ぜられても、パッと見気が付かないかも。 キャプ元 …

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エジプト・サッカラのイムホテプ博物館がリニューアルオープン。メルエンラー王のミイラが再展示されるらしいが…

イムホテプ博物館のリニューアルオープンのニュースで、「最古の王族ミイラ、メルエンラー1世のミイラが展示されるよ!」と大大的に宣伝されていて、ちょっとお茶吹いてしまった。うん…あの… ミイラ…はまぁ、一応現存はしますね。 しますけど、パーツしか残ってないんですよね。 出てくる写真だいたいこんな感じ↓でお顔に布かぶっていると思うんで…

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ドイツ語最古の「ランスロットもの」、「湖の騎士ランツェレト」は主人公のキャラが不明になっていた

前提として、アーサー伝説には唯一の原点というものはなく、少しずつ時期のずれた複数の著者による複数の物語の集合体である。 かつてブリテン島に「いたとされる」人物の虚像にものが語りを付け加え、各種の伝説の集合体として成立させたものがアーサー王伝説の根幹となっている。流れを時代順に追うと、  ブリテン島(まだ現在のイギリスという政体に…

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「文化の起源」の公式設定、起源はいかに作られるのか

一昔前のインターネット上のスラング的なものに、ウリジナルというものがあった。韓国が起源だと無理のある主張をする行為に対する嘲笑的なスラングで、あまりいいものではないのだが、さすがにソメイヨシノなど明らかに日本のものを韓国起源だと主張するのは笑われても仕方ない部分があったと思う。 ただ、そうした無理くりな「起源主張」は実は韓国だけの…

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スコットランド、ジャガイモ畑から出土した古代エジプト遺物のミステリー

小学生が呪われた遺物を偶然発見する、というのは物語の導入部としてはありきたりすぎるのだが、それに似たことが実際にスコットランドで起きていた。しかも「ジャガイモだと思って掘り出したら像の頭部だった」はいささか出来過ぎである。でも、これは実際に起きたとされる事件なのだ。 That’s not a potato: mystery of …

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大英図書館(英国図書館)、ランサムウェアによるサイバー攻撃によりサービス停止中。DB復旧に時間がかかるらしい

大英図書館がアタックを受けてサービス停止して研究者が困っているらしい、と聞いたのでちょっと確認しにいったら思ってたより大規模にやられていた。 発生したのは11月初頭らしいのだが、まだ復旧していないとのこと。また一部のデータ(おそらく人事情報、とのこと)がぶっこ抜かれてしまい、Web上で犯人グループに販売されているのも確認されているよう…

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名大文学部創立75周年記念講演会・シンポに紛れてきた。エチオピアの人文的に不遇な立場とか

さいきん休日はお仕事関連のウェビナーとかが入れられてたりしたところ、今回は空いてたので久しぶりに人文系のシンポで一般参加枠にこっそり紛れ込んできた。エジプト関連の発表があるので。てかまあエジプトのお二人は発表物だいたい把握しているので、エチオピアの方を楽しみに…w 今回は人文学におけるデジタルアーカイブスがテーマで、比較的…

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古代エジプトのオーパーツ! サッカラの飢餓像! →そもそもエジプトのじゃない

記事タイトルで即落ち2コマみたいになってるのだが、まあそういうことです。 史実としてのイムホテプについての記事を書いたあと、イムホテプの時代に飢饉が起きた証拠として「サッカラの飢餓像(The Starving of the Saqqara)」を挙げている人を見つけて何じゃこりゃと思いながら辿っていたら、どうやらこの像につけられた”…

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ヒッタイト全般についてだいたい分かる本「ヒッタイト帝国 「鉄の王国」の実像」

エジプト本は多いのに、ヒッタイトがメインの本は少ない。最近リトンから「ヒッタイトの歴史と文化 」が出ていたが、一般書店に出回る前にネット通販で瞬殺されてしまった上にそもそも一般書ではなく専門書寄りだった。なので、お手軽な一般書の文庫版のヒッタイト本を出したかったというコンセプトは理にかなっている。とりあえず読んでみたが、初心者向けの導入…

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リビアン・グラスの生成過程に関する新説(?)が出る。今後の動向次第かな

リビアン・グラスとは、エジプトの西からリビアにかけての砂漠地帯に点在する黄色い鉱物。ツタンカーメの胸飾りにも使われていたことで知られる。名前の通り「ガラス」状の鉱物なのだが、なんで砂漠の真ん中にそんなものがあるのかはっきりしていなかった。高温で溶けたと思われることから、隕石爆発に由来する、火山に由来する、落雷によるもの、など、様々な説が…

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史実と後世の伝承のはざま 古代エジプト神官イムホテプの伝承はどこまで史実なのか

某ゲームでイムホテプが美少女にされてるのを見てゲラッゲラ笑ってた中の人、その流れで何故かWikipediaのイムホテプのページがすげぇことになっていることに気づいてしまった…。 どうしてこうなった?! と思ったのも最初のうち。どうしてこうなったのかだいたい分かっちゃった。 あーうん。なんか適当な本に引っかかったか、読み間違えたか…

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ヌビアXグループ、バラナ(バッラーナ)文化とその遺物についての覚書き

まず前提として、ヌビアとは現在の国境で言うとエジプト南部とスーダン北部を指す地域。この地域の代表的な遺跡はアブ・シンベル神殿だ。アブ・シンベルはダムに水没しそうになったところを場所を移動させて救われた遺跡。他に、救われていない大量の遺跡がある。そのうちの一つが、ヌビア文化Xグループに属するバラナ(Ballana)、およびその対岸クストゥ…

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中世ヨーロッパ風ファンタジーの奴隷制度、実はアラビアン・ナイトなのでは。という話

突然だが、ライトノベルなどによく出てくる中世ヨーロッパ風世界における奴隷制度について話をしてみたい。市場にはたいてい、エルフや獣人など多くの種族が売られており、話の展開上、主人公が美少女を買うことが多い。またはキーパーソンが売り飛ばされていたり、主人公自体が奴隷出身だったり、酷い目に会っていた奴隷たちを解放する展開などもよくあるパターン…

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ノルウェーで最初に農耕を始めた人たちは他所から来たのか、地元民か。調査が始まる

北欧はスカンジナヴィア半島の西の端、現在の国名でいうとノルウェーに人が住み始めたのは、約1万年ごろとされる。最終氷期が終わるまでは氷河に覆われていたので住みようもなかったのが、少しずつ溶け始めて人が進出していったのだ。なので人が住み始めてからの歴史はヨーロッパに比べれば短く、アメリカ大陸と同じくらいになる。 ただ地理的にヨーロッパ…

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