"人文学"の記事一覧

古代世界のマラリアはどこまで広がっていた? 意外と分布図が広いことが明らかに

マラリアといえば、古代エジプトでも流行っており、ツタンカーメンにも感染の痕跡があったなどと話題になったことがある。 そのマラリアが、一体いつから、どのくらい広がっていたのか? というのを、古代人の遺体からマラリア原虫のDNA破片(DNAの特徴的な一部分の領域、ローカス)を検出して調べようぜ。という研究についての論文が出ていた。 …

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欧州三位の大手旅行代理店FTIが破産→エジプトに1万人取り残される 

大手旅行代理店FTIが6月はじめに破産し、エジプト各地に取り残されている人が難儀しているというニュースを見て、この件は日本ではあんまり騒がれてないなと思ったのでメモ。 欧州3位の大手旅行会社が破産、予約が予想を大きく下回る、米国投資家グループが1ユーロで買収 https://www.travelvoice.jp/20240604…

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著名エジプト学者ザヒ・ハワス、訴えられる。エジプトには発掘法なるものがあるらしい

何かと過激な言動で知られるエジプト人考古学者ザヒ・ハワス博士が、同じくエジプト人考古学者のモニカ・ハンナ氏に、発掘資金を不正に流用したとして訴えられている。 この二人は犬猿の仲、というか相反するポリシーで動いているので、対立は今に始まったことではない。 政府べったりで、話題になって観光客がいっぱいくればそれでいいザヒ博士と、儲け至上…

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歴史の中で世界の海が一つにつながるまで「海図の世界史」

ぺらっと開いたら、ローマ支配下のアレキサンドリアで活躍した地理学者・プトレマイオスの話が出ていたので、そのまま読み始めた。 プトレマイオスの描いたとされる「世界地図」は現存していないが、アラブに輸入され、アラビア語からラテン語に翻訳されて、のちのヨーロッパに蘇った。 この地図が、のちの大航海時代の下敷きとなり、最初の一歩となったこと…

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「エジプトはナイルの賜物」、そのナイルのイメージはたった二千年前からのものだったかもしれない

あまぞんから本が届かなくて読むものがないので論文検索で遊んでいたら、たまたま最近出たエジプト論文を見つけて面白かったので、ついでにメモしておく。 こういうのがあるから、インターネッツはやめられねぇぜ…! Shift away from Nile incision at Luxor ~4,000 years ago impacte…

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ウマはいつ家畜化されたのか: 追加研究が出て紀元前2,200年頃でほぼ確定に。各所の専門家は修正がんばって!

ここまでの おさらい: かつてウマは、「紀元前3,500年頃に家畜化され始めた」と考えられてきた。ボタイ遺跡から出土しているウマの骨がその証拠とされた。 が、古代ウマのDNA情報の分析結果や、ウマが家畜化されてから拡散までの時系列がいまいち巧く構築されないことから、なんか違うんじゃないかと議論が交わされていた。 そこへ、202…

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ペンギンの雑学集大成「ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ」

仕事用の本読みすぎてイヤになって、なんか普通の本読みたいなあ、とフラフラしながら本屋に入ったら入口のとこに積まれてて、あっこれでいいかあ…と適当に手にとって帰ってきた。 たまにそんな日もある。 ペンギンに絡む歴史の本、歴史ジャンルの中のペンギンである。 ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ - 上田一生 歴史ってなんだよ、…

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ニューカレドニアの日系移民と第二次世界大戦「マブイの往来」

このところ国際ニュースになっている、ニューカレドニアでの暴動。 (ニュース例) https://www.bbc.com/japanese/articles/cl44l2x4dljo フランスによる長年の植民地政策により、不利益を被ってきた現地住民による反乱だが、実はこれは初めてのことではない。1878年にはフランス…

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古代エジプト人、骨肉腫の治療は出来ず…? だが頭部損傷の治療はしていたらしい

ケンブリッジ大学に保管されている 別々の時代の2つの頭蓋骨を調べたら、骨に発生するガン、いわゆる悪性腫瘍が見つかったという話。 このガン治療については、医療パピルスにおいては「治療不可なもの」として分類されており、この頭蓋の人物もおそらく病変が元で亡くなっている。ただし、片方については病変部分に死後の切り込みがあるなど、何か医学的な知…

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古代エジプト: ミイラ作りの時代変遷についてのまとめ

古代エジプトの長い歴史の中、ミイラづくり技術やトレンドは時代ごとに大きく変化している。 自分用の覚書き代わりに、時代ごとの特徴をまとめておくことにした。 ●先王朝時代 ミイラづくりの試みが行われはじめた時代。手の込んだミイラはつくられておらず、葦のミットの上に屈葬して砂に埋めただけのような簡易なものが見られる。 この時代…

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実際の出土品から見る、古代エジプトの女性たちのアクセサリー。「ナンチャッテ・エジプト」には出てこないものについて

まずは、実際には広く使われていたはずで出土例もそこそこあるのに創作界隈では全くといいほど触れられず、スルーされているアクセサリーについてプッシュしておきたい。古代エジプト絵を描く人、作品をつくる人は、このへんも入れていい。 こちら、中王国時代に墓の副葬品として多く作られた人形である。以前紹介した、パドル・ドールと似た用途だったので…

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ピラミッド地下迷宮はお好きですか? センウセルト3世のピラミッド

古代エジプトでピラミッドといえば、みんな古王国時代の石造りのピラミッドを連想すると思う。でも、日干しレンガで作られた低コストな中王国時代のピラミッドのほうが、ネタ的にはかなりおいしいのです。 おいしいポイント ・数が多い ・建てられたロケーションや構造で、ある程度、施工主の意図が読める ・盗掘を防ぐため様々な仕掛けをして…

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ラメセス2世展ワールドツアー、来日決定。王のライブがはっじまるよー!(※ミイラは来ません)

ミイラは来ないけど3Dファラオと王妃ネフェルタリが来るらしい。FGOコラボ待ったなし…? でも史実のネフェルタリは王より年上だぞさてどうする。 どうでもいい心配は置いといて、ファラオ特化のエジプト展楽しみだNE!★ 公式サイト https://ramsesexhibition.jp/ さて、このイベントの情報探し…

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古代エジプトの東の国境線「支配者の壁」の位置の覚書き

昔のエジプト本だと、「エジプトは海や砂漠という天然の国境に守られているため城壁はほとんど必要なく…」ととか書かれていることがあるが、全然そんなことはない。めっちゃ壁ある。というか勢いのある時代のファラオが財力に任せておもくそ長城作っとる。世の中、どこのと支配者も考えることはだいたい同じである。 というわけで、「支配者の壁」(古代エ…

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