生きた木に仏の姿を掘る「生き木仏」、聖木信仰+仏教の不思議な融合について

適当に図書館で掘り出して読んでいた本に、目を引く仏像があった。 というか、仏像と呼んでいいのかこれは…?という感じのもので。生きた木の幹にそのまま仏像を掘り込んで、木として生きていながら仏像でもある、という融合した存在である。「生き木仏」というらしい。本のタイトルどおり「ミステリー」な存在だし、そんなものがあると知らなかった。 正直…

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久しぶりに浅草いったらめちゃくちゃ観光地化していた。が、諸外国の観光地と違うところがあった。それは…

写真はない。 というか観光客めっちゃいて写真とりまくってるところで自分もスマホを出す勇気が出なかった…w おみやげのあわぜんざいだけ写真あるよ! というわけで、仕事のついでに、たぶん10年ぶりくらいに浅草を通りかかった。黄金のウ●コが記憶よりちょっと色褪せて、輝きが薄れているような気がしたが、季節が季節なので黄砂のせい…

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クレオパトラ7世の妹・アルシノエ4世とされていた頭蓋骨、DNA調査の結果「少年」と判明。どうすんのこれ

1929年、トルコのエフェソスで貴人の墓らしきものが見つかった。八角形に作れらたその霊廟は、エジプト最後の女王クレオパトラ7世との政争に負けてローマに連れて行かれた異母妹、アルシノエ4世の墓ではないかとされ、この100年、ずっとその説がプッシュされてきたーー伝説上の死亡年齢よりずっと若い骨にも関わらず。 だが、今回の調査によって、…

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トトメス2世の墓、新たに発見される。(ミイラはもっと前から発見されている) 今までの候補墓、全部ちゃうかったんかい!

年度末ですこんばんは。定時で上がれる日はもうありません。 でも、王家の谷からトトメス2世の墓がついに発見された、というニュースが流れていて、よく分かってない人に適当な解説書かれてイラッとするよりは先に自分で書いといたほうがマシだなと思ったので書いておきますよウフフ。 Long-lost royal tomb of King Th…

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ナイルティラピアと古代エジプトの護符:ティラピアが「自己再生する魚」とされた理由

ナイルティラピアは、頻繁に古代エジプトの護符や調度品、墓室内の装飾として使われるポピュラーな魚。 こういうやつなのだが、たぶん展覧会や図録などで見たことある人は多いと思う。 ※大英博物館所蔵、遺物ページはこちら このティラピア、護符にもよく使われていて、古代エジプト人にとって特別な意味を持つ魚だったらしい。 護符の例…

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下ヌビアにある古代エジプトの要塞:穀物倉庫と兵站について

少し前、古代エジプトの穀物倉庫の構造について調べていた時、下ヌビア(現在のエジプト国境付近から隣国のスーダンにかけての地域)の要塞に付属する穀物倉庫についての記述が沢山出てきた。 ナイル川上流のあまり人の住んでない地域なのでアスワン・ハイ・ダムに水没したもの以外は遺跡の残りが良く、近くに現代の集落などもないので発掘しやすいんだろうなと…

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ナツメヤシの雑学あれこれ「デーツの歴史」

ナツメヤシといえば、エジプトでは広く食べられているポピュラーな果物。古代から壁画などに登場する、おなじみの作物だ。 だが、ふと考えてみると、その栽培方法とか食べ方とか諸々の情報をよく知らない。 というわけで! ちょっと図書館の園芸コーナー行って本を探してみた。 一番わかりやすかったのがこれ↓。お馴染みのメシテロ・シリーズだが、…

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古代エジプト王の「脅し」の言い回し、「従うものは守るべき民、逆らったら死ね」

適当に論文検索して遊んでたら、面白いものがヒットしたのでメモがわりに。 古代エジプトの歴代の王たちが、どのように脅し文句を碑文に刻んだのか、という話である。 文字が読める人が少ない世界で、警告文を書いたところで読んで意味まで理解できたとは思えない。これはどちらかというと呪詛に近く、文字という形にして「逆らったらどうなるかわかって…

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アナトリアからエジプトへの移民「カリア人」について

末期王朝時代のメンフィス周辺にあった、異国人コミュニティの一つに「カリア人」という見慣れない名前があったので、ちょっと調べてみた。 英語で書くとCarians、もとはアナトリア西南部の住民だ。戦士、船乗りとして知られ、エジプトには傭兵として雇われてやって来たのが住み着いていたと考えられるという。 使用文字はギリシャ語。ただし書いてる…

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歴史本と見せかけて社会心理学寄り「イスラエルの起源 ロシア・ユダヤ人が作った国」

本屋通りかかった時にふと見つけて、なんとなく立ち読みしてみたけど内容がよくわからん…というわけで買ってきてじっくり読んでみたら、だいたい言いたいことは分かった。というか歴史本ではない。ジャンル的には社会学、それも社会心理学寄りの内容という、タイトルや表紙からだけでは分からない、珍しいテイストの本であった。 イスラエルの起源 ロシア…

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古代エジプトの「穀物倉庫」はどんな感じ? 調べてみたら思いのほかバリエーションが…

まず前提として、古代エジプトは農業国であり、主要な作物は麦(小麦と大麦)である。 収穫は基本的に1年に1回。のちの時代になると、通年で灌漑できるファイユームなど限られた場所でのみ二期作が行われたとされる。つまり、基本的な収穫は1年に1回のみで、その1回ぶんで1年を食いつなぐ必要がある。穀物を、最低でも1年は保存しておける建物は必須なの…

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古代エジプト第二中間期:アジア系異国人流入の時代、ヒッタイト側ではどうだったかというと…

古代エジプトの歴史の中で、「第二中間期」とは、ヒクソスを筆頭に、アジア方面からの移民が多く流れ込み、ナイル川下流ののデルタ地帯に異国人王朝が立てられて国土が分裂していた時代である。 アジアから人が流入した原因は良くわからない。気候が悪化していたからなのか、そっちで戦乱があって難民化した人たちがいたのか、単にエジプトの内政が弱っていた時…

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これぞエジプト。観光客の目の前で大ピラミッドをハンマーでぶっ壊すところが目撃され拡散される。

こんなニュースが流れていたのだが、エジプトさんとの付き合い長いと、「うんまぁ、いつものことだね…」という感じ。 SNSで大炎上してるというよりは、SNSで拡散されたのをエジプトの考古学者や議員が知って騒いだために、問題が大きくなったんじゃないかな。 でも悲しいことに、エジプトではこの程度、いつものことなんよ。。 ギザの大ピラミ…

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エジプト東部砂漠で金の「盗掘」が行われている可能性。時代はミイラ取りではなく金鉱探しか

かつてのエジプトはミイラやミイラと一緒に出てくる副葬品がカネになる、つまり古代の墓を金鉱みたいに使っていたわけですが、今のご時世では金属探知機片手に東部砂漠に分け入り、金鉱を盗掘するというのが金持ちになる抜け道らしい。 ナイル東岸、金鉱の多数隠れている東部砂漠への入口にあたるエドフ周辺の農村の土壌を調査したところ、違法に採掘したと…

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知られざるアマゾンの「緑の革命」、カサラベ文化(モホス文明)のトウモロコシ二毛作が人口を支えた可能性が示唆される

アマゾンは、かつては未開の原生林で、原始的な文明しか無かったと考えられてきた。 しかしここ20年くらいの研究では、実は埋もれている中に高度な自然利用を可能とした古代文明がいくつも存在したことが分かってきている。そのうちの一つが、最近取りざたされるようになったボリビアの「カサラベ文化」だ。 アマゾン奥地でこれまで知られていなかった…

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