「中世エジプト」と「古代エジプト」がクロスする時。「エジプト死者の街と聖墓参詣」

中の人は古代エジプトのマニアだが、中世エジプトや近代エジプトもそれなりに手を出している。 というか歴史というのは繋がっているものなので、ある瞬間にいきなりすっぱり切れるわけではない。歴史本が毎回ある時点で語るのを終えるのは、その先の時代について研究者が不勉強だからか、専門外に手を出したくないからか、ページ数が足りないだけである。なので…

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インダス文明はもはや「謎」ではない、最近の研究まとめ本

価格帯と内容的にお得だな、と思った本を読んでみた。 コロナ禍が来る少し前からインダス文明の最新研究本が何冊か出ていて、トレンドみたいなもんかなと思う。 インダス文明 文明社会のダイナミズムを探る - 上杉 彰紀 まずおさらいなのだが、インダス文明は大河文明ではない。 かつてはインダス川流域に発展したのだと考えられてきたが…

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「投票」は果たして本当に民主主義の基本なのか。現代における意味合いの変化について

選挙があるたびに報道されるのが、投票率である。 かつては70%くらいだったものが、近年はだいたい50%程度で推移している。高齢者ほど投票率が高い、という統計も出ているが、投票を自然な義務と感じている世代がそこまでなのだろう。今の40代以下が、60歳以上になった時に投票場に通っているかというと、ちょっと怪しい。 つまり今後も上がる…

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サウジアラビアで2年ぶりの「ハッジ」開催、全世界からイスラム教徒が詰めかけ大混雑に。

コロナ禍も薄れ、日本でも最近では観光産業などが復活の兆しを見せ始めている。 そんな中、世界最大級の「祭典」、イスラム教徒にとって一生に一度の旅行である大巡礼(ハッジ)が、今年はニ年ぶりに開催されている。 どんなことやるの? というのは以下を参照。 ハッジ2022ガイド:期間中に巡礼者が行うこと https://www.a…

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祇園精舎まで何マイル? ふと距離と時間を調べてみた

平家物語の始まりは「祇園精舎の鐘の音~」という有名なフレーズだ。 しかし、京都に祇園という地名はあっても精舎はそこには無い。もともと仏教用語であり、釈迦が説法を行った場所のことなので、インドにある。たぶん語り継いできた琵琶法師たちはそこまで意識しなかっただろうが、平家物語は概念上のインドから語り始められる物語、なのである。 で、…

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生命の冒涜か、新たな可能性か。「三倍体」海産物の台頭

デパ地下の海産物売り場に三倍体牡蠣が並んでいて「ん?」となった。少し前まで実験段階だったはずなのだが、いつのまにか広く流通するまでに実用化されていたらしい。 【研究報告】「交配×三倍体」で作られる新しい牡蠣品種。「収益改善×環境配慮」を実現するこれからの養殖業を支援 https://prtimes.jp/main/html/rd…

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古代インターネット文明:伝承の終焉

職場に新しくやってきた新人ちゃんと話していて気が付いたのだが、今の20代は、昔でいう「2ch用語」のようなネットスラングを知らないらしい。 具体的に言うと、「ぬるぽ」しても「ガッ」してくれないし、「今北産業」って言っても説明してくれない。「>>1よ」「キボンヌ」あたりは何を意味する言葉なのか全く想像もつかないと言ってい…

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日本のバッタ研究者たちの本気。「バッタの大発生の謎と生態」

いい本が出てるんじゃーん! ということで早速読んでみた。 コロナ禍が始まった頃に話題になっていた、サバクトビバッタ大発生に関する本である。ついでに、日本で大発生を引き起こすトノサマバッタについても説明してあり、両者の違いや、日本にいるトノサマバッタの遺伝的多様性などについても解説があるので、幅広く面白い。 バッタの大発生の謎と生…

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土葬文化としてのミイラ、古代エジプトのミイラ職人と過酷なその終焉

古代エジプトのミイラは、基本的には土葬文化の一種である。 土葬とは人の体を土に埋めて埋葬する方法だ。加工して埋めるのが独特なだけで、副葬品とともに棺に入れて墓地に収める、という部分は他の地域の土葬と変わらない。しかし、埋める前にまず「遺体を防腐処理する」、「包帯で巻いて豪華な棺に入れる」などの手間が、他の土葬文化圏とは段違いに手間…

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月のカケラとゴキブリとオークション。アポロ11号の遺産、NASAが返還要求を出す

アポロ11号といえば、人類史上はじめて月面に人間を送り込んだ、歴史に残るミッションである。 映画化もされているし、書籍も沢山出ているので詳しくはそちらで調べてね、というところだが、その時に宇宙飛行士たちが持ち帰ったものに「月の石」がある。 その「月の石」を砕いた塵が、なんとどういうルートでか流出、オークションにかけられ、NASA…

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日本にある「瓦のピラミッド」、土塔について調べてみた

「瓦のピラミッド」というキャッチに引かれて調べてみた。「土塔」とは、行基が主導して仏道に帰依した人々に作らせた施設で、727年に建造が始まった。つまりざっと1300年前の、堂々たる古代遺跡である。 土盛りの上にお堂のような建物をつくり、斜面は瓦に覆われた十二段、上に載せたお堂をあわせて十三段となる階段状に屋根の重なったような形をし…

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オアシス都市パルミラの「名の知られていない神」、匿名ではなく二つ名で呼ぶシステムだった

シリアにある都市遺跡パルミラは、オアシスの都市、かつ多種多様な人々が行き交う国際的な交易都市でもあった。 かつてISによって遺跡の目立つ部分は破壊されてしまったが、過去の発掘で回収された遺物や記録などは世界各地に残されている。そのうちの一部、碑文の解読による報告が今回のものと思われる。 Polish researcher sol…

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「絵に描いたモチ」ならぬ「深海の財宝」。サン・ホセ号の財宝とその行方

2015年あたりに騒いでいた、超高額なお宝を積んだ沈没船の帰属の行方がまだ争われている、とニュースになっていた。 カリブ海に沈んだサン・ホセ号という300年以上前の難破船。かつての所属はスペイン。現在沈んでいる場所はカリブ海。そして積まれている財宝はカリブ沿岸のかつてのスペイン植民地から奪われたもの――。(さらに、最初に発見したのは自…

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