またかよ…エジプト・サッカラの第6王朝の墓から壁画盗難。「5月に判明してました」

つい先日、カイロ博物館から盗難された金の腕輪が売っぱらわれて溶解されていたことが判明したばかりのエジプトさん。 今回は墓の壁画がひっペがされて行方不明になっていたのを5ヶ月も経ってから公表。うーん…。 古代エジプト時代の絵画が行方不明 「呪いの言葉」刻まれた墓から https://mainichi.jp/articles/20…

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大英博物館所蔵のおもしろ贋作: オシリス坐像

古代遺物の贋作によくあるパターンが、「一部だけ本物の古代遺物」というやつだ。 見栄えよくして、高く売りさばけるようにしたいという盗掘者の心理。もしくは、コレクターが友達に自慢する時にカッコよく視えるようにと破損した遺物を買い求めて勝手に修繕しちゃったのが市場に流れたとかいうパターンもある。 これはマジでなかなか見分けつかなくて、…

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大英博物館が所蔵する「偽造された」遺物、第17王朝テティシェリ像について

まずはこちらを見て欲しい。古代エジプトの貴人の坐像…である。 大英博物館が所蔵するもので、エジプト部門の遺物を充実させたウォーリス・バッジによってエジプトで買い求められた品だ。碑文には、第17王朝の王妃テティシェリの名が刻まれている。 しかし今、この遺物には「偽造品」のラベルがつけられ、展示室には無い。作られたのは19世紀と表示…

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【羊蹄山危険】北海道舞台のゲーム「ゴースト・オブ・ヨウテイ」発売、だが聖地巡礼は一般人にはオススメしない…【一般人…

時代劇アクション「Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」が発売されましたね! みんなで復讐者になろう(キャッキャ) https://game.watch.impress.co.jp/docs/review/rev1/2049552.html というゲームの話はまあ置いといて(というか中の人がまだ全然手…

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カルタゴにとっての「裏切り者」、ヌミディア王国と北アフリカにおけるローマの統治

ヌミディア王国とは、カルタゴのすぐ隣、現在のアルジェリアのあたりに存在した国である。当初はカルタゴと同盟しており、ハンニバルの用兵の中にもヌミディア騎兵というのが出てくるが、ポエニ戦争途中で裏切ってローマ側につき、結果的にカルタゴ滅亡の一要因となる。 が、その後、ローマによって滅ぼされてしまい、ヌミディア人自体も独立を失うことになる。…

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現代エジプト人は古代エジプト人と別物なのでは?→文化が入れ替わっただけで血の繋がりはあるよ

昔から何度も繰り返されてきた問いかけの一つに、「古代エジプト人と現代のエジプト人は別物なのでは?」というものがある。 古代エジプトの宗教や言語、風習の多くは消えてしまい、現在のエジプトはアラビア語を使いイスラム教を信奉するいわゆる「アラビア人」だからだ。 しかし、実はイスラム教とともに流入してきた大元のアラブ人の人口はそれほど多くは…

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北アフリカのイスラーム支配に抵抗したベルベル人の女戦士、アル・カーヒラについて

ローマ亡き後の中世初期、北アフリカがどのようにイスラーム化していったかのを調べてた時に出てきたベルベル人の女戦士、アル・カーヒラ(al-Kāhina)。 ユダヤ教徒またはキリスト教徒だったとされ、実在人物の女傑としてはかなりオイシイ役どころのため、彼女の故郷とされるでは「抵抗のシンボル」として扱われ、像も建てられているという。 …

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中国さん「砂漠緑化した! 我が国は世界でいちばん緑が増えてる!」→緑化も環境破壊になりますよ。というお話

いつだったかSNSで「中国は世界でいちばん緑化頑張っている国!」「砂漠に植林して黄砂減った! カーボンニュートラルにも近づいた!」って褒め称えるムーブしてる人を見かけて、ちょっと半笑いになってしまった中の人。 いやね、それ、エジプトさんでもう散々見たやつだから…。 エジプトマニアは「トシュカ計画」の悲惨な展開とか十分すぎるほど見…

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「出合え出合え!」古代エジプトの警備員も呼子を使っていたかもしれない?

2008年にアマルナの遺跡から発見されたはいいものの正体不明だった、「穴の空いた骨」の遺物の正体がこのほど「呼び子だった」と判明したそうだ。 発見場所は、アマルナ郊外にある「ストーン・ビレッジ」として知られる労働者集落のはずれ。牛の骨で出来た遺物には穴が開けられているが、何のために使ったか分からず、同じものを牛の骨で作成してみたら甲高…

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アルメニアの古代石柱「ヴィシャパカー(Vishapakars)/ヴィシャップ」は水信仰の証拠か? 面白そうなのでメ…

日本語資料は、探してみたけど見つからなかった。研究してる人を見たこともないので誰も意識してないやつかもしれない…。 が、巨石マニアとしてはこういうの大好物なので、無いなら自分で資料まとめておこうと思う。 ヴィシャパカー、またはヴィシャップなどと呼ばれるのは、アルメニアには古代に作られたナマズを模した石柱。インド風の響きだが、なん…

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エジプト最後の女王クレオパトラの娘、クレオパトラ・セレーネと「マウレタニア王国」について

エジプト最後の女王クレオパトラ7世には、4人の子どもがいた。 カエサルとの息子カエサリオン。そしてアントニウスとの間に出来た双子、クレオパトラ・セレーネとアレクサンドロス・ヘリオス、その弟でプトレマイオス・フィラデルフォスだ。 これらの子どもたちのうち、唯一成人して子どもを儲けたのがクレオパトラ・セレーネ。 彼女は母の自害とエ…

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エジプト・シナイ半島南部の銅製錬所遺跡の発掘 出てくる品物が壁画の実物だ…!

エジプトのシナイ半島南部、Wadi El-Nasabから銅の製錬所跡が見つかったという話。 シナイ半島の銅鉱山は古王国時代から使われており、ピラミッド建造に使われた銅製の道具もシナイ半島産だとされている。 採掘した銅鉱石を現地で銅に加工して本国に輸送していたので、鉱山近くに錬成所があるのはまあ不思議でもなんでもないのだが、出てき…

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北アフリカはアフリカの中でも「ヨーロッパ寄り」。地理的にも文化的にも、という話

前回、「ギリシャは白人の国ではないしエジプトも黒人の国ではない。」という話をしたので、追加として「エジプトは現代の地理区分ではアフリカ大陸の一部だが、アフリカ自体がサハラ以北と以南で文化圏が大きく別れてる」という話をしたい。 ざっくりいうと、サハラ砂漠より北のアフリカはヨーロッパ文明にとって「昔なじみ」の良く知った土地だった、古代…

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対ペルシャで同盟していたかもしれないスパルタと古代エジプト、古代エジプト・末期王朝のエジプトとギリシャの関係について

古代エジプト史の中でも、エジプト語以外の文献の重要度が大きくなっていく末期王朝以降はちょっと扱いが特殊だなと思う。 わかりやすいところでいうと、二度のペルシア支配があるが、その時代のペルシア側の記録を確認しようと思ったら当然ペルシャ語になる。(もしくはギリシャ語) また遺物やエジプト語文献から確認が取れない部分は、ヘロドトスやデ…

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「ギリシャ人は白人」「エジプト人は黒人」の誤解。「アジア・アフリカ・ヨーロッパ」の区別は古代世界では使えないという話

「クレオパトラは白人ではない」、「そもそもギリシャ人は白人ではない」という話は、以前書いた。 その後、もしかして「ギリシャはヨーロッパ」=白人、「エジプトはアフリカ」=黒人という勘違いをされてるのか…? というそもそものところに気づいたので、まずはここから説明していきたい。 最初に言っておくと、「古代ギリシャ」はヨーロッパで…

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