日本では、かつてヒッタイトは「鉄の国」と呼ばれることが多く、製鉄技術を開発した国、鉄の力で帝国に成り上がった国と認識されることが多かった。
しかし、もしその説をとるならば、海の民などという有象無象の衆にあっさり滅ぼされた意味が分からないし、アナトリアから出て繰られていないのもしょぼすぎるし、エジプト軍との衝突で同等の兵力でほぼ引き分け…
少し前に、古代エジプト美術でカマキリが出てくることはめったに無いという話を書いたが、チョウチョの出現確率はそれよりは高い。
墓の内部や建物の装飾などに花が使われることが多いため、花とセットで登場するのだ。また、日本同様に女性者の装飾品のモチーフとしても使われていることがある。
主要なチョウの出現リストは以下を参照。ほんの4,5例…
なんとなくBBCつけていたら、ウクライナとロシアの戦争で使われている攻撃用ドローンのことを「カミカゼ・ドローン」と呼んでいて、一瞬聞き間違いかと思ってしまった。
が、聞き間違いではなく本当にそう呼ばれていた。どうも最近一般化されてきている表現らしく、「不適切なのでやめてくれ」という話も出ているらしい。
最近ではイランから湾岸諸国に飛…
古代エジプト美術には、多種多様な昆虫が登場する。チョウ、カナブン、スカラベ、ハチ、トンボにハエやアブ、テントウムシ。そんな中、カマキリの登場は非常に少なく、居たはずなのにめったに出てこないので、「描きづらかった、墓の主があんまり好まなかったので墓に描かれなかった」のでは、とされている。
にも関わらず、一部の個人サイトで「カマキリの…
古代エジプトの王、ツタンカーメンの墓は、現代のルクソール対岸にある「王家の谷」で1922年に見つかった。今から100年以上の前の話である。
その墓は、見つかった時には入り口が漆喰の壁で塞がれ、その上から王名を刻んでで封印してあった。
漆喰の壁が、墓の扉代わりだったのである。
で、このたび、その漆喰壁が再建されて、ルクソール博物…
中央アジアの商業都市の発掘調査の報告書をなんとなく読んでいて、おもしろいなと思ったところがあるのでメモがわりに書いておく。
オアシスに面した商業都市、シルクロードの経由地点の街では、畑はなく、農業は行われていない。しかし人がいるので、食料は運搬されて来ている。麦の固い殻や、果物の種などはたくさん見つかる。
でも、麦ワラが全然出て…
去年サハラ砂漠に行った時、「砂漠って全然ニオイしねーな…」と思っていた。
トイレとかないので、テントの近くにNOGUSOすることになるのだが、そのニオイが流れて来ない。あと放し飼いのラクダが臭くない。
ラクダは一般的にものすごく獣臭いので、近くにいるだけでけっこう臭うのに、それが無かったのはかなり意外だったのだ。
で、その後、…
「エジプトはナイルの賜物」という言葉は有名だが、本来の意味は「エジプトの国土はナイルの運んだ土で出来ている、ナイルが無ければ下エジプトの土地は存在しない」という意味である。
砂漠の中を流れるナイルの水のお陰で人が安定して暮らせるのはもちろんなのだが、ナイルが「作った」土地が無ければエジプトは栄えることはなかったかもしれない。
そ…
すごく保存状態のいい遺物なのに、見つかった場所が悲しすぎる。
ドイツ西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州のパーダーボルン市で、行政本部(市庁舎みたいなものか)の建て替えのため敷地の考古学調査をしていたら、13-14世紀ごろのおトイレの跡が見つかったらしい。で、そこから排泄物だけではなく、ものすごく状態のいい蝋引きのノートが見つ…
アクエンアテンは、古代エジプト第18王朝の王。アテン神という神に妄信的に帰依して、アテン以外に神は無し! と一神教のはしりのようなものを始めたことで知られている。世界最古の宗教改革、とか、最古の一神教、とか言われることもある。
首都も、既存宗教の影響の強い都からまっさらな場所に移転させた。改革は一代限りで終わるのだが、いろいろ特異だっ…
“Atbai Enclosure Burials (AEBs)"、アトバイ砂漠の囲い込み埋葬。
今の今まで知らんかったぞ…?
というわけで、エジプトとスーダンの境界、アトバイ砂漠に大量に見つかっている紀元前4,000年~3,000年ごろの古墳についての調査論文を読んでみた。
最初に書かれているとおり、「よく調査されている地域の…
今を去ること2年半ほど前、ヒッタイト帝国の首都・ボアズキョイの発掘現場から「カラシュマ語」で書かれた粘土板が見つかった。
カラシュマ語はヒッタイト帝国領内で話されていた地方言語の一種とされるが、今まで未発見だった新言語のため話題となった。今までに見つかっている、ルウィ語という地方言語に近そうだという話で、完全に未知の言語ではなかったた…
流し見していたエジプト遺物の中に面白そうなものがあった。日本で紹介されているのを見たことのない一品なので、メモがわりに書いておこうと思う。
古代のヌビア(スーダン)で発見されたナパタ時代の遺物なのに、「一部はエジプト原産」という説明がされている奇妙なものだ。
詳細はこちら。
収蔵しているのはアメリカのクリーブランド美術館、購入…
富士山には、ふもとに湧き水はいっぱいあるのだが、直接流れ出す川はない。
だが、雪解け水が流れる今のこの季節、須走の近くに一瞬だけ「滝」が出現する。それが「幻の滝」と呼ばれる滝である。
いつか見に行こうと思いつつ、コロナがあったり天気が悪かったりとタイミングを逃し、今年はようやく晴れた週末に時間が取れたのでダッシュで行ってきた…!…
こないだ古代のビール作りについておさらいしていた時に、ふと思った疑問。「なぜ古代世界ではワインがビールより高級扱いされたのか」。
作る手間は、圧倒的にビールのほうが上。めちゃくちゃ手間がかかっている。
ワインの原料となるぶどうやほかの果実はもともと糖度が高いので、酵母を増やすのにそれほど苦労せず、ただ果実を潰してジュースにするだ…









